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2019-09-14
2019-10-07

税理士が執筆|フリーランスは毎月いくら稼ぐ必要があるか

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フリーランスエンジニアで稼ぎ続けるために必要な3つの力の記事の中で私は、「個人年金を積立て自己投資をしながら、仕事が途切れた場合にも余裕を持って生活できる金額が年間720万弱です。」と書きました。

そこで本日は、私が普段お世話になっている たちばな税理士事務所の渡邉先生に本記事を執筆いただき、フリーランスで活動する人が老後も余裕をもって生活するためには、いくら稼ぐ必要があるか執筆いただきました。

渡邉先生のマネフォプロフィールサイト

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フリーランスは毎月55万円稼ぐ必要がある

結論としては30歳からフリーランスとして独立した場合は、最低毎月55万円程度稼ぐ必要があります。

多いか少ないかは人によるかもしれませんが、以下から詳細を記載していきます。

老後に必要な資金は1億776万円

フリーランスの売上の金額の話をするためには、そもそも老後の生活をある程度余裕をもって過ごすためにはいくら必要かを知ることから始めましょう。

一説によると、平均寿命(男性:82.84歳、女性88.37歳)よりも長めに夫87歳、妻92歳まで生きる場合、リタイア後に必要な資金は、なんと1億776万円と言われています。

高いようにも感じますが、この金額は、リタイア後に夫婦ともに平均寿命よりも長く生きた場合で、生活費として最低限月24万円と、もしもの時の介護や医療費を加味して算出されているので、妥当な金額のようです。

医療の発達のおかげで平均寿命は徐々に延びており、あと50年もすれば更に延びるでしょう。そうなってくると必然的に老後に必要な生活資金は増加することになります。

(参考:貯蓄:「ゆとりある老後」に必要な資金は、1億1856万円 -「定年後の5大爆弾」の正体【1】)

1億776万円を貯めるには自力で8,892万円貯める必要がある 1億776万円もの大金を貯めるにはどうしたらよいのでしょうか。

自己の努力でこの金額を貯蓄できる人はそう多くないはずです。そこで、国民年金という国の仕組みがあります。

国民年金の仕組み

国民年金という国の年金制度により、20歳から年金を国に預けることで、一定の年齢になると年金の受給が始まります。

現在の制度では年金の受け取りは65歳からとなっていますが、私を含めこの記事を読まれている皆さんが年金を受け取るころには70歳からの受取りになっている可能性もあるので、今回は保守的に70歳から年金を受け取れるものと仮定しましょう。

仮に私達が87歳まで生きたとすれば、年金支給額総額は、おおよそ4,080万円(=月20万円×12ヶ月×17年)になります。

それでは、目標の1億776万円を貯めるまで自分で積み立てて、あと6,696万円(=1億776万円-4,080万円)を貯めればよいのでしょうか。

実はそうではありません、無収入期間があることを忘れてはなりません。

65歳でフリーランスをリタイアし、その後70歳から年金を受給するということは、65歳~69歳までの5年間は無収入期間となります。

そして、無収入ではあるものの当然に生活費はかかりますので、その分も考慮する必要があります。

さらに、このリタイア後の60代は、まだまだ体力も意欲もあり、これまでの職業人生から解放され旅行やゴルフなど趣味を楽しむ傾向にあるようです。

そのため、趣味を楽しめるようなゆとりある生活をするためには毎月36.6万円必要だと言われており、5年間で総額2,196万円(=36.6万×12ヶ月×5年)にもなります。

また、フリーランスなので65歳以降働くことを想定される方もいらっしゃるかもしれませんが、ITは業界変化が特に早い業界なので、実際60歳まで自身が第一線で活躍できるかもしっかり考えなければなりません

もうお分かりだと思いますが、1億776万円を貯めるためには、無収入期間の生活費も加味して、自力で8,892万円(=1億776万円-年金4,080万円+無収入期間2,196万円)を貯める必要があります。

8,892万円貯めるには最低でも毎月55万円の売上が必要 仮に皆さんが現在30歳のフリーランスの方だとしたら、65歳でリタイアするまであと35年あります。

この35年間で8,892万円貯めるためには、毎年254万円(=8,892万円÷35年)の貯蓄が必要です。

ここで、フリーランスの皆さんが毎年254万を貯金するためには一体いくら売上なければならないのか、確定申告の項目を参考に検討してみます。

年間の売上から始まり経費や所得控除などを考慮し、所得税・住民税、さらに生活費を差し引くと、年間で660万円が必要ということが分かります。月額にすると55万円ということになります。


【事業所得】

 収入 660万円・・・55万円×12ヶ月

 諸経費 △24万円・・・2万円×12ヶ月 

 青色申告特別控除 △65万円

 所得金額:571万円・・・660万円-24万円-65万円

【所得控除】

 国民健康保険料 43万円

 国民年金保険料 19万円

 基礎控除 38万円

 控除合計:100万円・・・43万円+19万円+38万円

課税所得金額:471万円・・・所得571万円-控除100万円

【所得税】:51万円

【住民税】:47万円

【生活費】:200万円


この内容から見ると収入が660万円あれば、

支出は384万円なので、 (諸経費24万円+国保43万円+年金19万円+所得税51万円+住民税47万円+生活費200万円)

手もとには276万円(=660万円ー384万円)残すことが出来ます。おおよそ254万円に近い金額ということがわかります。

なお、生活費の200万円は、30歳の独身男性を想定して以下の通り試算しています。


家賃:84万円・・・7万円×12ヶ月

水道光熱費:14.4万円・・・1.2万円×12ヶ月

通信費:12万円・・・1万円×12ヶ月

日用品:2.4万円・・・2千円×12ヶ月

交際費:19.2万円・・・1.6万円×12ヶ月

食費:68.4万円・・・5.7万円×12ヶ月


老後資金を貯めるためには、30歳から平均して最低でも月額55万、年額にすると660万円の売り上げが必要だということがお分かり頂けましたでしょうか。

もちろん人によっては、諸経費や住宅になどが上下するかと思いますが、平均的な価格を当てはめると上記のような結果になります。

さらにフリーランスの場合は不景気の際に仕事が途切れる事や怪我や病気で体を壊した時の対応などを加味しなければなりませんので、実際はもっと稼げる時に稼ぐか法人化して厚生年金を支払うなどの対応を考えていかねばなりません。

効果的な貯蓄方法

コツコツと銀行に預けて毎年254万円を貯めていく方法でも良いのですが、少しでも効率よく貯めていきたいものです。

普通預金や定期預金に預けておいても利息がほとんどつかないので、今回は、小規模企業共済、個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)、NISA(ニーサ)、積立NISAについてご紹介します。

小規模企業共済

中小機構という国の機関が、フリーランスの個人事業主や中小企業の経営者向けに退職金積立の仕組みを提供しています。毎月掛け金(最大7万円)を払込み、いよいよフリーランスをやめるときに解約すれば掛け金を退職金代わりに受け取ることが出来ます。

これだけを聞いて、お金を預けて、将来解約したら戻ってくるというだけなら銀行に預けるのと何も変わらないではないかと感じている方も多いと思います。

小規模企業共済の最大の特徴は、掛け金がすべて確定申告の際に所得控除と言って、ざっくりいうと経費として所得から引ける点にあります。

所得から引けるということは、当然、所得税や住民税が安くなります。仮に毎月7万円を1年間かけた場合には、先ほど紹介した確定申告にあてはめますと、なんと所得税と住民税をあわせて約25万円もの節税効果がありますのでこれは効果大です。

(参考:中小企業整備機構の小規模企業共済の概要)

個人型確定拠出年金(iDeCo:イデコ)

こちらも国が認めている積立の制度で各証券会社や銀行などの金融機関が取り扱っています。

フリーランスの個人事業主の方のみならず、会社員や主婦の方でも活用できるのですが、毎月の掛け金の上限はフリーランスの方は6万8千円、その他の方は1万2千円~2万3千円となっており、フリーランスの方に適した積立方法と言えるでしょう。

この制度は、20歳から60歳の間まで掛け金を拠出して、自分で選んだ運用方法で将来受け取れる年金を増やすことが出来ます(場合によっては減ることもあるので注意が必要です)。

2019年10月現在では70歳まで拠出される可能性あり

参考

この制度も、掛け金を拠出して運用するのであれば株式投資などと変わりないように思われるかもしれませんが、小規模企業共済と同様に、掛け金が所得控除の対象となっているので、掛けた分だけ所得税と住民税を節税することが出来ます。

仮に毎月6万8千円を1年間掛け続けた場合の節税効果は、所得税と住民税をあわせて約24万5千円になりますので、こちらもインパクトがあります。

(参考:ideco公式サイト)

NISA(ニーサ)

ここまで紹介した小規模企業共済や個人型確定拠出年金は、掛け金が所得控除の対象となっており、節税効果がありました。ここで紹介するNISAは、金融機関で開設できる特定の口座(いわゆるNISA口座)で取引された株式等の売買で利益が出た場合も税金が課税されない仕組みになっています。仮に、NISA以外の普通口座で株式等の売買を行い利益が出た場合には、所得税と住民税を合わせて20%程の税金がかかります。積み立てをするだけでなく、積極的に運用を行い、自身の資産を増やしたい方にはおススメです。

(参考:金融庁NISA公式サイト)

積立NISA

NISA(ニーサ)は、5年単位で投資を行っていくのに対して、積立NISAは、その名の通り20年に渡り長期間の積立を行うことが出来る投資用の口座となっています。NISAと同様に、積立NISA専用の口座内で生じた分配金や利益には、税金がかからない仕組みとなっています。

(参考:金融庁積立NISA公式サイト)

銀行に預けて将来に備える方法もありますが、国が資金を蓄えるために後押しをしてくれる制度がありますので、上手く活用してみてはいかがでしょうか。

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