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2019-10-05
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税理士が執筆|フリーランスから法人成りする基準と法人化のメリット・デメリット

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2019年も10月に入り、あっという間に1年間も終わりに近づいてきましたね。フリーランスとしての活動も軌道に乗り、売上も伸び続け、そろそろ法人にした方がいいのかな?と思われる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、法人化の代表的な判断基準や法人化のメリット・デメリット、法人化の手続きや費用などをご紹介いたします。

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売り上げはいくらから法人成りすべきか

フリーランスとして活動されている方から「法人化を検討しているが、どのタイミングで法人にしたら良いか?」というご相談は非常によく頂きます。

ご相談される方の置かれた状況を総合的に勘案して、法人化した方がいいか現状の個人事業主を維持した方がいいかアドバイスさせて頂きますが、その際の重要な判断要素として売上高があります。

売上高が1,000万円を継続的に超えている、又は超えそうな場合には法人化をお勧めするようにしています。

なぜ、売上高1,000万円が重要かと言うと、それは消費税の納税義務が影響してくるからです。

個人事業主として活動をしていて、毎年の売上高が1,000万円以内であれば、消費税を納める義務がないので、消費税について意識をすることはあまりないと思います。

しかし、実は1,000万円弱の売上がある方は毎年90万円程の消費税を取引先から預かっているのですが、それを納める義務がないので、結局は手元に残っていることになります。

これが、売上高が1,000万円を超えると、消費税の納税義務が発生し、その超えた年の2年後の年度からは消費税を納めることになるのです。納めるべきものは納めるとしても、1年でも長く消費税は免税でいたいものですよね。

そこで、フリーランスの方の売上高が1,000万円を超えましたら、法人化をご検討頂いております。

消費税の納税義務の考え方は、詳細を割愛しますと、法人設立から2事業年度は、納税が免除される仕組みとなっております。

そこで、個人事業主として売上高1,000万円を超えた年の翌年中に法人化をしますと、そこから更に2事業年度は消費税の納税が免除されるということになります。

先ほどの繰り返しになりますが、毎年90万円程の消費税を預かっているわけですから、2年間で180万円程の消費税の納税義務が免除さることになります。

ここで疑問に思われるのは、フリーランスの方が個人事業主から法人化したとして、取引先も社員(フリーランスの方お一人)もオフィスの場所も何も変わっていないのに、法人になっただけで消費税の納税が更に2年間も免除されるのか?ということだと思います。

お答えとしては、個人事業主から法人へ変更するということは、法律上は大きな変化でございますので、まったくの別人として扱われます。そのため消費税はやはり2年間免税ということになりますのでご安心下さい。

法人化は、上記で記載した通り消費税の免税期間を実質的に延長することが出来るのでメリットがあるのですが、それ以外にも法人化にはメリットはありますので、売上高に関わらず法人化をお勧めすることはございます。

以下では、法人化のメリットとデメリットを具体的にご説明いたします。

法人化した場合のメリット

法人化のメリットは、社会保的に信用を得られることで生じてくるものが多いように思います。以下、具体的に紹介します。

大口の取引がしやすくなる

法人化のご依頼を頂く際に、よくお話に上がるのは新規の取引先から「個人事業主のままでは社内稟議が通らないので業務を発注できない、だから法人化してくれないか」と言われたというケースです。

大手企業では、取引先は原則法人に限る、という制限を設けている場合もあり、それに合わせる形で法人化を進める場合や、これから大手企業と積極的に取引をしていきたいので前もって法人化されるという場合もございます。

従業員の採用をしやすくなる

法人は社会保険の加入が義務となっておりますので、従業員の方は、法人へ入社すれば社会保険の恩恵を受けることが出来ます。

健康保険や年金の半額を会社が負担してくれることは、採用される者としては有難いことです。

また、従業員の方は職を探す際に、入社する組織は、個人事業主よりも法人、小規模企業よりも中堅企業、中堅企業よりも大企業といった具合に大きい組織を選ぶ傾向があるので、従業員を採用する予定であれば、個人事業主よりも法人の方が従業員は集まりやすくなります。

法人ならではの恩典が受けられる

携帯電話の契約や事務用品等の購入の際によく「ビジネスプラン」という割引サービスがあります。

携帯電話でしたら基本料金が安くなったり、PCの購入の際には分割払いを受けられたりと何かと便利なサービスがあります。しかし、これらのサービスの適用を受けるための条件として、「法人であること」というものをよく見かけます。

個人事業主も当然ビジネスを行っているのですが、明確に個人事業主と法人とでは区別して扱われます。

法人になっていればさまざまな恩典を受けて経費の節約も可能となっています。

税率が低くなる

個人事業主の所得税の税率は所得が大きくなればなるほど高くなり、最大45%(これに復興特別所得税2.1%、住民税10%が加算されるので実質57.1%)となります。

一方で、法人の所得に課せられる法人税等の税率は最大で実質35%弱となっており、個人事業主よりも税率は低く設定されています。

そのため、同じ所得を生み出すのであれば、個人事業主よりも法人の方が納税面では有利になると言えます。しかし、所得税の税率は、最小で5%と法人よりもかなり低く設定されていますので、一概に法人の方が有利と言えない点には注意が必要です。ご自身は法人にすべきか個人事業主のままでいるべきかと、税率で迷った場合には是非お近くの税理士にご相談下さい。

法人化にはメリットがある一方で、法人を維持するための労力がかかります。その点をデメリットとして、以下にご紹介いたします。

法人化した場合のデメリット

会計処理が大変

法人は社会的な信用を得られる分、内部の規律も相応に求められます。

例えば、個人事業主の確定申告の「白色申告」や「青色申告の10万円控除」では、エクセルで売上や軽費を集計してその合計値を用いて決算書を作成すれば済むなど簡便的な処理が認められています。

しかし、法人となるとそうはいかず、会計処理の方法の中で最も複雑な複式簿記という方法を用いる必要があります。

また、個人事業主の頃から「青色申告の65万円控除」の恩典を受けられるので複式簿記を採用している方は、同じ方法を継続すればいいんでしょ?と思われるのですが、法人においてはその複式簿記の処理ルールがより厳密になります。

日々忙しく業務に当たられているフリーランスの方が、法人に求められる複式簿記を習得するのは至難の業かと思います。

最低限の税金(均等割)がかかる

法人化して1事業年度が終了すると決算を迎えるのですが、その際に仮に赤字だったとしても負担すべき税金があります。これを均等割(きんとうわり)と言います。

金額は、法人の本店の所在地がどこの市区町村にあるのかによってまちまちなのですが、通常ですと年間7万円かかります。

法人化すると毎年7万円かかるので、仮に30歳から60歳までの30年間法人で活動すると均等割の総額は210万円にもなります。個人事業主のままであればかからない税金なので、負担は大きくなるわけです。

ご参考までに、個人事業主には均等割はかからないのか?という疑問をお持ちの方もいると思いますが、実は普段意識することはないのですが、皆さんも均等割を納めています。

個人住民税の納付書が毎年6月頃に届くと思いますが、その中の均等割という項目に金額の記載がありますので、興味がある方はご確認下さい。

この均等割は、個人事業主だけではなく、会社員の方やパートの方など一定の所得がある方は納めているのですが、通常ですと年間5千円となっています。

社会保険料の負担が増える

フリーランスの方は、多くの方がスタッフを雇わずにお一人で活動していますので、改めて社会保険(健康保険、厚生年金)には加入せずに、国民健康保険と国民年金に加入していると思います。

個人事業主の方は、従業員を一定数雇い始めるなど要件を満たさない限り、社会保険の加入は義務ではなく任意となっていまが、法人化すると、仮に社長お一人の会社であったとしても、社会保険の加入は義務となります。

一般的には法人化して社会保険に加入すると、個人事業主の頃の国民健康保険と国民年金の負担額よりも負担は多くなります。

目先の支出が増えてしまうという点ではデメリットである一方、負担額が増加した分将来受け取れる年金は増えますので、将来に備えたいフリーランスの方にとっては悪い話ではないかもしれません。

法人化の手続きと必要な金額

法人化するためには、法務局で登記をするという手続きが必要になります。

もちろん役所ですので無料で法人設立の登記が出来るわけではありません。法務局へ登記する際に登録免許税という手数料のような税金を納める必要があります。

また、登記手続きを登記の専門家である司法書士へ依頼するとおおよそ10万円程度の手数料がかかります。

しかし、最近では、法務局へ提出する資料を無料で作成できるウェブサイトも多数ありますので、そちらを利用して、事務手数料も手間もかけずに法人を設立するのがおススメです。

法人設立は難しいように思われがちですが、必要書類さえそろってしまえばあとは法務局へ書類を提出(郵送もOK)するだけなので、専門知識も不要ですし、難しいものではございません。

是非、チャレンジしてみてください。必要書類を無料で作成できる代表的なサイトとして以下のマネフォやfreeなどが有名です

一般的な法人の形態として、株式会社と合同会社の2種類あります。どちらも会社であることには変わりないのですが、株式会社の方が厳格な手続きを踏む必要があるので費用が高くなっています。

一方、合同会社は簡便的な手続きで会社が設立出来ますので費用を抑えることが出来ます。

株式会社の場合は20.2万円、合同会社の場合は6万円で設立が可能なっております。

手続きも簡便で費用も掛からないのでフリーランスの方は合同会社を選択される方が多いです。

なお、将来的に許認可が必要な事業を行う予定がある方は、専門家である司法書士へご依頼されることをお勧めいたします。

許認可の規定を満たすように登記を行うとなると、専門家のアドバイスを受けた方がその要件を満たした形で会社を設立することが出来ますし、将来的に手戻りもなく済みます。

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