未経験からのエンジニア転職失敗事例

巷では、相変わらず未経験からエンジニア(駆け出しエンジニアで転職に失敗された方)を目指す方が増加していますし、コロナ後に安定している職種だという事で 引き続き希望者が増加しています。
私自身も2016年から未経験からエンジニア職へキャリアチェンジして独立後もエンジニアとして活動しています。
今回は過去
・エンジニアに転職しようとして失敗した(諦めた)方
・未経験からフリーランスエンジニアを目指して失敗した(諦めた)方
・33歳からエンジニアを目指し失敗した(諦めた)方
・エンジニアに転職できたが、エンジニアを諦めた方
・自社サービスの会社にエンジニアとして転職したが、失敗した方
・自社サービスの会社に転職できたが、エンジニアとして勤務できなかった方
の事例を記載します。
なお、現役エンジニアの転職失敗事例はエンジニアの転職失敗事例集をご覧ください
執筆者プロフィール
法人営業8年→エンジニア(約2年半)→個人事業主のエンジニア(約10ヶ月)→法人化した人 現役のシステムエンジニア
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未経験からフリーランスエンジニアを目指して失敗した(諦めた)事例
こちらは時折話題になる、某プログラミングスクールのフリーランスコースへ受講し、未経験からフリーランスを目指された方の事例です。
元々は中小企業の事務をされ、フリーランスエンジニアのリモートワークと高額な報酬に魅力を感じ20代後半で会社を退職し、名古屋の某スクールに通学を行いフリーランスエンジニアを目指されていました。
私はひょんな事からその方とお会いし、スクールの目標なのか、自分の目標なのか、名刺交換をする数の目標があるという事でその場で名刺交換をしました。
その後定期的に話を聞いていましたが、6ヶ月間は自称フリーランスエンジニアとして活動しましたが、結局諦めました。
その方はクラウドワークスなどの、サイトで案件を探し受注しようとしましたが、低単価の案件しか受注できず、結果月5万の報酬しか受けれず、業務経験もないので、レバテックなどのフリーランス向け案件紹介業者も登録してお断りされ 収入面で、思い通りにならず、諦めてしまいました。
今は前職と同様の事務の仕事をされていますが、もちろん前職より給料は下がっています。
この事から言えることは、勢いで独立しても、
・人脈
・営業力
・技術力
が他者より秀でていないと、フリーター以下の売上になり、結局生活ができなくなるという事です。
さらに私からその方にも伝えましたが、「仕事を発注してもらえるような人脈は、自分の戦闘能力に比例します。」
自分の戦闘能力というのは、
・友人が社会的地位の高い会社に所属していたり、弁護士などの難関専門職をしている
・学歴が高い
・前職で結果を出した
・営業力が高い
・特殊なスキルがある
・親・親族が金持ち
などです。
そのため自身の戦闘能力が低い場合は、そもそも仕事を発注してもらえるような人脈を構築する事はできません。
そして、学歴も高くなく、仕事で成果を出していない方は未経験からフリーランスとして活動しても、厳しい現実が待ち構えています。
もちろん、それでも活動するのも問題ないでしょう。 しかし、戦闘能力が低い場合は文字通り食えない事を念頭に置いてください。
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33歳からエンジニアを目指し失敗した(諦めた)事例
こちらは33歳からエンジニアへのキャリアチェンジを目指して、結局うまくいかず諦めた方の事例です。
前職は物流系の企業で営業をされていましたが、リモートワークや報酬の高さに魅力を感じ、某スクールへ通学し、その後転職活動を行いました。
転職活動期間は3ヶ月で、面接で40社程度しましたが、結局テスター系のSES企業の内定しかとれず、現実と理想のギャップに打ちひしがれ、諦めました。
その後、普通の会社に務めることのほうが大変だったようで、単発の派遣を1年行い、年収300万程度ですがようやく、中小企業の営業職で採用され今も頑張っています。
やはり30代となると、早い企業では後輩もでき、課長クラスの出世をしてい方もいます。その為、30代で大幅なキャリアチェンジを目指し、失敗すると 失敗した後も辛い現実が待ち構えています。
余談ですがスクールに通学し、エンジニアを目指す方は、99%リモートワークや報酬の高さに魅力を感じ転職を目指されています。まぁ、そういう広告の出し方をしているスクールが多いからでしょう・・・
30代で一発逆転を目指す気持ちはわかりますが、果たしてエンジニアがよいかというと私はおすすめしません。
エンジニアは資格商売でもありませんし、技術革新が激しいため、中学生でも成人と同じような仕事やスキルを習得することが可能で、スキルの経年劣化が非常に激しい職種です。
そのため、何かのスキル×エンジニアスキルで 掛け算をできる何かがないと食えなくなる可能性が高いです。
個人的に人生の一発逆転を狙うなら、
・会計士
・弁護士
・弁理士
・不動産鑑定士
・税理士
などの難関資格を目指すほうが、まだ現実的です。
難関資格は、エンジニアと違い独占業務ですし、特に税理士などの平均年齢は60代と言われており、若い先生が不足しています。
私は顧問税理士を探す際、IT系の業態という事もあり、若い先生を探しましたが、かなり苦労しました。
つまり定性的ですが、税理などは資格習得に5年かけてもまだまだ若さを武器にできます。
オンラインでも受講でき、合格実績のある資格スクールもあるので、 この先の不安がある方は問い合わせしてみてください。
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エンジニアに転職できたが、エンジニアを諦めた事例
こちらは下請けSESに就職された方の実例ですね。
旧帝大を卒業後、誰もが知る大企業にお勤めの方だったのですが、会社に閉塞感を感じたのとフリーランスに魅力を感じて、退路を断つために会社を退職し、27歳からプログラミングスクールに通学し、卒業後に下請けSESに転職されました。
新卒の会社では26歳で年収420万程度
SESの会社では27歳で年収300万程度
になります。
その後転職して、研修後に現場にエンジニアとして参画されましたが、
1ヶ月で退職されました。
退職された理由は
・残業時間の辛さ(初回から100時間ほど)
・分からないことが分からないが、質問できる環境がない
・それでも仕事としての成果を出さなければいけないプレッシャー
になります。
参画現場の勤務体系が割とブラックだったのは分かりますが先輩社員と参画し、製造工程から入っているので客先常駐型の下請けSESでは割と恵まれていた方です。
これは本人も悪い部分があると思います。
言い方は悪いですが、成長できる人間はどの環境でも成長できますし、自分に実力がないからSESで働いているのに、会社へ成長できない理由を押し付けています。
ただ、このような状況でプログラミング自体にトラウマを抱いてしまい、別会社への転職もできず結局エンジニアを諦めました。
この状態では職歴も汚れましたので、 結局再就職もうまくいかず、婚約していた方とも別れて今は郷里で親の紹介で再就職し、全く違う仕事をされています。
行動したことへの後悔をずっと抱え、1年間ウダウダ悩み続け なんとか自分の中の区切りをつけて、行動されました。
現在の年収は240万円ですが、ストレスもなく本人は今幸せそうなのが幸いです。
この事から私が言えることは、「やらない後悔」より「やる後悔」は人による という点です。
この方はエンジニア転職に失敗した後は、1年間悩み続け生きる気力も無くしてしまい、廃人寸前までに行きました。
退路を断って行動しても、現実は漫画や小説のように甘くありません。
退路を断って袋小路に陥り、脱出できなくなる人間の方が、圧倒的に多いです。
未経験からエンジニアを目指す方向けの転職サイトなどもありますが、実力がないとこう言ったSESへの就職となります。
貴方も、こう言った環境でも活躍できるかよくお考えください。
併せて読みたい記事
未経験からのエンジニア転職を諦める|諦めた後の転職-就職先を解説
自社サービスの会社にエンジニアとして転職したが、失敗した事例
こちらは未経験から自社サービスのエンジニアに転職したが、実力不足でクビになった事例です
28歳から自社サービスのスタートアップの会社に転職し、 勤務されていた方が1年6ヶ月後に実力不足でクビになりました。
その方もサボっていた分けではありません
土日も業務外後もひたすらプログラミングをしていました。
しかし会社の期待値を超えることはできませんでした 会社もスタートアップという事もありますが、自身で最大限努力してもどうにもできませんでした。
この方はその後SES の会社に転職され、数年後別の自社サービスの会社で開発を行っており、現在もエンジニアとして活躍されています。
その為失敗という事でもないかもしれませんが、
実力不足で首になる事例は他でも聞きますので、理想の会社に転職できたからと言って安泰ではありません。
自社サービスの会社に転職できたが、エンジニアとして勤務できなかった事例
これもよく聞く話です。
30歳で未経験のエンジニアとして自社サービスの会社に転職された方で、6ヶ月後に営業部に配属されてしまいました。
これは会社の状況もあるのですが、結局は会社からエンジニアとして実力不足の通知を受けたのと同等です。
流石に6ヶ月だと転職も出来ないため、結局はそのままなし崩し的に営業職を行い
今も営業として勤務されています。
実際本人は楽しそうなので、良いかもしれませんが
エンジニアとして転職したのに、エンジニア職ではない職務をアサインされる可能性もあります。
しかも入社後の人事編成は自分ではコントロールできません。
この状況になるとエンジニアとして再度勤務する事も厳しくなります。
未経験からのエンジニア転職全般に言える事
全ての自己啓発に言えますが、
したい 人 10000人 始める人 100人 続ける人 1人です。
そしてプログラミングについて言えますが、
プログラミング学習をしている人は、3ヶ月以内で8割が脱落します。
半年後には残り1割が脱落し、
1年間継続できている人は、100人中1名か
割合的にはさらに少なくなります。
エンジニア転職を目指す人は本当に様々な経歴を持つ方が多く、高卒の方から旧帝大を卒業している方、仕事で成果を出していた方もいます。
過去の経歴に関係なく、エンジニアを目指して転職活動で失敗し、諦めた人に共通して言えるのは、
プログラミングをなぜ学ぶかの強い拘りがない方です。
具体的に言うと皆さん、
・フリーランスになりたい
・稼げる
・リモートワークができる
などの部分が多く、手段としてプログラミングを勉強しているので、プログラミング自体が辛く継続できなくなり諦めます。
ぶっちゃけ何かをやる理由で、稼ぐために勉強するのは何ら問題ないです。
実際稼げるからエンジニアを目指し、転職して成功されている方もいます。
しかし、強烈な欲望がないと稼げるのキーワードでプログラミングを行っても長続きしません。
強烈な欲望がある人は過去別職種で圧倒的な成果を出していたりするので、端的にエンジニアでなくても、成功している人です。
残念ながら過去仕事で成果を出していない人が、ちょっと稼げそうだとか、老後の為にスキルが欲しい、リモートワークしたいなど
インフルエンサーの甘言に騙され勉強したところで、実際はそこまで甘くはありません。
オンラインサロン・プログラミングスクールへ入会・通学したからと言って、稼げませんし、転職もできません。
また、プログラミングを行う事で、自分の隠された素質が開き、人生が逆転することはありません。
残念ですが、これが真実です。
ネットでは1つの成功例が注目されますが、裏側には多数の失敗者が存在します。
エンジニアのキラキラした部分を求めて勉強しても、成果もありませんし、プログラミングスクールの課題をこなしただけの成果しかないので、頭にプログラミングの思考が刻まれない為、転職面接でもうまくいかず、結果転職活動を諦めます。
さらに行動したツケを払う必要があり、会社を退職している場合は職歴が汚れます。
エンジニアを諦めた後の再就職は容易ではありません。
希望の再就職先が大手であればあるほど、採用されにくくなります。
言い方は悪いですが自分がやりたいと思って行動し、諦めた人間は、企業側からすればまた青い鳥を求めて、退職する可能性があると思います。よっぽどの事がない限り採用しません
こうなると、前職と同じ水準の給与を貰える可能性は少なくなりますし、出世も遅れます。
私は大幅なキャリアアップに失敗し、鬱屈した思いとコンプレックスを抱えている人間を何人も見てきたので、エンジニアを目指すなというわけではなく、短期で大幅なキャリア変更をすべきではない という事を言っています。
エンジニアを目指している方は出来ることなら、現職に留まりながら勉強する方法をお考えください。
その場合は、1年以上時間が必要になります。
そして、1年以上時間を費やしてやる価値があるかも考えてみてください
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独学プログラミングの勉強手順|未経験からエンジニアに転職した人間が解説
以上になります
上記から未経験からのエンジニア転職は
1:転職としてのリスク
2:職種を変えると言うリスク
の2つが発生するので、一般の転職よりかなりリスキーになります。
その点と念頭に置き、1年単位で努力できるか考えて行動してみてください。
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