なぜ営業とエンジニアは対立するのか

この記事では
「エンジニアと営業が対立する理由を知りたい」
「エンジニアと営業が対立しており、何か改善策はないかを知りたい」
という方へIT系法人営業8年で、現役エンジニアの著者がエンジニアと営業が対立する理由と改善策を記載します。
執筆者プロフィール
法人営業8年→エンジニア(約2年半)→個人事業主のエンジニア(約10ヶ月)→法人化した人 現役のシステムエンジニア
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なぜエンジニアと営業は対立するのか
根本的にはお互いの職務内容や利害関係の理解不足です。
これに尽きます。
私はSaaSを販売していましたし、エンジニアとして自社サービスの開発をしていたので、両職種から見て以下のような想いがあったりします。
エンジニア目線から営業を見ると
・急に案件を無茶振りしてくる
・突然要件を変える
・無理なスケジュール調整を強要される。
営業目線からエンジニアを見ると
・システムトラブルの時に、よくわからない事を話している
・伝えた要件をできると言ったのに、できないと言われる
・動きが遅い
など不満があると思います。
対立構造が発生すると、お互いの部署の役職者クラスでお互いの職種の悪口を言い合ったり、お互いがお互いを避ける状況になり、冷戦みたいな状況になります。
結局はお互いの理解不足なんですがね。
以下から対立が発生する詳細な理由を解説します。
エンジニアと営業が対立する理由
エンジニアと営業が対立する理由の詳細は以下です。
エンジニアと営業が対立する理由
1:組織的にどちらかに偏っている
2:中間管理職や中間職がどちらかの悪口を言っている
3:お互いの経緯の欠如
順に解説します。
1:組織的にどちらかに偏っている
組織的に、営業が強くなったり、エンジニア側が強くなったり どちらかに偏っている場合は、対立が発生しやすくなります。
例えばSESの場合は、業態上、営業が強くなるので、 営業がエンジニアを無理な案件や要望と全く違う案件に突っ込み社内的にエンジニアが疲弊し、営業VSエンジニアの対立が発生します。
逆に、社長がエンジニア出身や取締役にエンジニア出身が多い場合は、社内的にエンジニアの立場が強くなります。
その場合は、システムトラブルが発生しても、
・分かりやすい説明をしてくれず、営業に丸投げする
・新機能のリリーススケジュールがよく遅延する
・エンジニア目線で機能追加され、顧客から不評を買う
などから営業とエンジニアの対立が発生します。
2:中間管理職や中間職がどちらかの悪口を言っている
部署間・職種間で対立していなくでも、
中間管理職やディレクターやプリセールスなどの中間職が、どちらかの職種の悪口を言っているとかなり対立が発生します。
これは組織的に許してはいけません。
よくあるのが、営業の中間管理職がエンジニアを見下しており、
「あいつらは売り上げ目標がないから、融通が聞かない」
などの発言をしたり
エンジニアの中間管理職が
「営業がいつも無茶振りしてくるので、まともに取り合わない方がいい」
などの発言をしたりします。
どちらの言い分も分からなくは無いですが、多くは相互理解の欠如が原因です。
一般社員ならまだしも、そこそこの役職者や中間職がこう言った発言をしていると、もう目に見えての溝が出ています。
この状態は非常に危険なので、放置するべきではありません。
3:お互いの敬意の欠如
仕事をする際は、お互いが敬意を持って接するべきですが、 どちらかが相手を見下している場合です。
特に多い例としては、SES営業がエンジニアを見下していたり、メーカー系のエンジニアが営業を見下したりといった形です。
人間は敏感なので、見下されている事を絶対に感じとります。
経緯がない対応をしている輩が1名でもいると対立が発生するので、そう言った人物を排除するように働きかけなければ、 部署間全体で対立が発生します。
どうすれば改善するか
改善策は会社ごとに変わってきますが、
1:中間職や調整職を設ける
2:お互いで共通の目標を作る
3:どちらかが歩み寄るしかない
中間職や調整職を設ける
ディレクター職やプロダクトオーナー職がない、組織の場合は エンジニアと営業の中間になる調整職を設けるのもいいでしょう。
営業とエンジニアが直接やり取りすると、仕事の進め方が違いすぎて、会話が通じない事が多いです。
例えば、エンジニアは営業から要件を聞いて、その時はできると言いましたが、要件が変わったり、他の機能追加が発生した場合は、技術的にできない or 当初のスケジュールでは対応できない
という事も言ったりします。
営業からすれば梯子を外されますが、エンジニア側からすれば 単発の機能で、実装期間を聞かれただけなので、他の機能を含めたスケジュールを聞かれてないのでこう言った事が発生します。
まぁ、営業もエンジニアもどちらも悪いんですがね。
営業とエンジニア間のコミュニケーションを、中間職が担えば少なくともこう言った間違いはなくなります。
お互いで共通の目標を作る
自社サービスや商品を持っている企業限定ですが、営業とエンジニアで共通の目標を作るのもいいでしょう。
営業は分かりやすい個人目標がありますが、エンジニアというと、個人目標がなかったり、明確な数字目標がなかったりします。
※エンジニアでもゲーム会社だと、明確な技術KPIがあったりします。
その為、営業の数字目標を分解し、エンジニアと共通目標を作るのもいいでしょう。
例えば、エンジニア発信・営業発信の新機能を実装し、リリース後に会員数や売り上げ増加など、どれだけ会社全体のKPIに関わる数字に影響があったか
システムリリース後の謝罪回数を○以下に抑えるなど
です。
こちらはあくまで例ですが、共通目標をもてば、前向きに進む事もあるので、貴方が営業とエンジニアの対立に悩んでいるなら試してみてください。
なお、SESになると、エンジニアが現場に入った後は営業はタッチしませんので、この手法は通じません。
どちらかが歩み寄るしかない
自分で自分の身を守る意味でも、どちらかが歩み寄るしかありません。
見下してくる人間には、歩み寄る必要はありませんが、それ以外で、ちょっと苦手や話しにくいなどなら仕事として割り切って絡んでいけるなら、そうすべきです。
仕事だと、絡みづらいですがプライベートの話をすれば顔色が明るくなる人もいます。
別に仲良くなる必要はないんですよ、相手を理解する努力が必要です。
そうするには、
・一緒にランチに行く
・昔された案件の話の進捗を聞く(エンジニア向け)
・エンジニアへ質問する際にプライベートの事を聞いてみる(営業向け)
などを行って、まずは1個人として相手と会話し、相手を理解していく必要があります。
こうすると相互理解が進みますので、お勧めですよ
実際私は営業時代こうした対応をして、エンジニアの方から「あいつが言うならやります」みたいな評価を受けましたし。
以上になります。
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